心の乱れが不調の原因に?食で心と身体を調整しよう!
お正月や連休が続き、仕事に集中したいのにやる気が出ない、疲れがとれない、肩こりや冷え症がつらい、なんだかイライラする。そんなことはありませんか?
東洋医学でいう「気」とは?
中医学の考え方で、私たち人間の身体は「気」「血」「水」によって成り立っていると考えられています。その中で「気」は目に見えない生命のエネルギー源であり、血や水の流れを促進する、内臓を温めて働きを高めるなどし、生命活動を維持させています。
私たちの周りには「元気」「やる気」「短気」「嫌気がさす」など色々な「気」のつく言葉があり、気は様々な感情に影響を与えています。
感情と臓器の関係
人には喜・怒・思・悲・憂・恐・驚の7つの感情(七情)があり、この感情の過度の変化が原因で病気を発症させるといわれています。
本来、物事によっていろんな感情を持つことは通常の反応ですが、精神的に強い刺激や長期の刺激を受け続けるとバランスを保つことができなくなり、身体や心に悪影響を与えてしまいます。また、臓腑のトラブルが感情に影響を与えることもあります。
下の表に七情と臓腑、主な症状をまとめました。
七情 | 臓腑 | 気の乱れ | 主な症状 |
---|---|---|---|
喜 | 心 | 喜びすぎると気が緩む | 集中力低下・不眠・不安・失神 |
怒 | 肝 | 怒りすぎると気が上昇する | 頭痛・めまい・目の充血・動機・不眠 |
思 | 脾 | 考えすぎると気が停滞する | 腹痛・食欲不振・膨満感・不眠 |
悲・憂 | 肺 |
悲しみ・憂いが過ぎると
気が消える
|
意気消沈・咳・胸苦しさ |
恐 | 腎 | 恐れが過ぎると気が下がる | 白髪の増加・大小便の失禁 |
驚 | 腎 | 驚きすぎると気が乱れる | 動機・不眠・精神錯乱・物忘れ |
思い当たる症状はありましたか?
症状別 お勧めの食べ物
体が重く、気持ちが沈んでいる
疲れがとれず、慢性的な疲労感や倦怠感がある方は、気が不足していると考えられます。また、胃腸が弱い・冷えを伴うことが多いです。
【気を補う】牛肉・豚肉・山芋・かぼちゃ・ゴマ・黒キクラゲ
【胃腸を強くする】きゃべつ・じゃがいも・れんこん
【身体を温める】生姜・ニラ・長ネギ・鶏肉
イライラして集中できない
怒りは気を上昇させるため、気を下げて巡りを改善しましょう。また、血がドロドロで木の巡りが悪くなっていることも多いです。
【気を静める】そば・セロリ・紫蘇・ミント・カモミール
【血液サラサラ】海藻類・きのこ類・納豆・さば・発酵食品
疲労が溜まっている、強いストレスを受けているなど、身体の不調にも原因が様々あります。生活習慣を改善したり、原因の根本的な解決も大事ですが、食事を見直して気の巡りをよくすることで、不調を改善していくこともいいでしょう。
担当管理栄養士:Tomoyo
<参考文献>
・平馬直樹 辰巳洋「基本をしくみがよくわかる東洋医学の教科書」株式会社ナツメ社(2015.6.20)
・喩静 植木もも子「薬膳・漢方 食材&食べ合わせ手帳」株式会社西東社(2012.8.20)
・再春館製薬所「再春館製薬所が教えるおうち漢方」(有)TPS21(2014.4.5)
・ハーブAyako「管理栄養士向け薬膳講座」テキスト
≪Tomoyo執筆コラム≫