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血糖のコントロールと目の関係

生活習慣病のひとつである糖尿病と診断されると、必ず眼科の受診を言われます。なぜ糖尿病と目なのでしょう?今回は血糖のコントロールと目の関係について述べます。
 

糖尿病と目

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糖尿病は、インスリンが充分に働かないために、血液中を流れるブドウ糖という糖(血糖)が増えてしまう病気です。インスリンは膵臓から出るホルモンであり、血糖を一定の範囲におさめる働きをしています。インスリンがうまく作用せず、血糖が一定の範囲から著しくはみ出てしまう状態を高血糖状態、つまり血糖のコントロールがうまくいっていないことになります。
実は、高血糖状態や血糖のコントロールがうまくいっていないと網膜症を発症する割合が高くなるのです。糖尿病発症後10年以内に25%、11年以上で60%、20年を過ぎると70%に達するという報告が出ています。
 
網膜症とは網膜の毛細血管が変性したり詰まったりする症状です。
網膜は、眼球の奥に広がる膜で視神経が分布する大変重要な部分ですが、高血糖状態が続くと、網膜の毛細血管の流れが悪くなり、小さなこぶのようなものができ、やがてその部分が壊れて出血が常時出ます。
この段階で血糖のコントロールを適切に行えば、悪化を防ぐことができます。しかし放置すると、より大きな出血が生じ、必要に応じて光凝固と呼ばれるレーザー治療を行います。更に放置し悪化した場合は、大量の出血に繋がり、極度の視力低下や失明することもあります。なので糖尿病と目は切っても切れない関係なのです。
 

高血糖、血糖のコントロールを悪くしない食事とは?

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食事からできることは、高血糖や血糖のコントロールを悪くしない食事をすることです。血糖値を急上昇させない食事をしましょう。
 
まずは、糖質の多い炭水化物だけの食事にならないように。おかずがメインで、副菜、汁物、ご飯がそろう定食スタイルが理想です。麺やパスタは糖質の割合が高くなりがちになるので、具がしっかり入ったものにしましょう。
そして、ゆっくりよく噛んで食べること。短時間に食事をすると血糖値が急上昇してしまいますし、噛むことで脳が刺激され、消化に必要な酵素が出やすくなります。
また、食べない、というのも良くありません。欠食すると空腹状態で食事をすることとなり、ドカ食いになりやすく、これも血糖値が急上昇しやすい原因となります。欠食せず、朝食、昼食、夕食を規則正しく食べましょう。3食しっかり食事をとることにより、間食も防げます。
 

今の生活習慣が未来の姿を作っている

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生活習慣病が関与する2型糖尿病と診断されても、最初のうちは自覚症状がありません。また、血糖値は、ある日突然高くなるというのはまれで、多くの場合は自分でも気づかないうちにだんだん高くなってきます。ですので、診断されたら放置せずに内科、眼科に定期的にかかることが大事です。
 
目は障害を持つと生活に支障が出てきます。網膜症は糖尿病3大合併症のうちのひとつですが、あとのふたつの神経障害、腎症も進行が進めば、日々の生活に障害をきたすこともあります。逆に考えれば、進行を抑えれば障害を起こすリスクを回避することができます
 
糖尿病は生活習慣病です。今、何気なく過ごしているあなたの生活習慣は、この先の未来のあなたの姿を作っているとも言えるでしょう。
 
担当管理栄養士:白井由紀
 
参考文献
相磯嘉孝「糖尿病に克つ生活読本」主婦と生活社(2015)
 
 
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