糖質制限は危険！？正しい糖質制限の仕方を知ろう！/最新情報

暑い夏がやってきましたね。夏に向けてダイエットに励んできた方も多いのではないでしょうか。今ではダイエットといえば糖質制限というくらいTVや雑誌でも多く取り上げられています。極端な糖質制限をすると、ダイエットには成功している反面、リバウンドしてしまった、体調を崩してしまった、顔が痩せこけてしまった、などの声も多く聞かれます。

 

糖質制限というとご飯を食べなければいいと思っている人も多いですが、簡単にはそうではありません。正しい糖質制限の仕方をシリーズでお教えしたいと思います。

 

 

2008年に糖尿病治療の世界で国際的に著名な「ダイレクト試験」という研究があります。この研究では、糖質制限食と、カロリーを低く制限した低脂肪食、同じくカロリーを制限した地中海食とを比較し、糖質制限食がカロリー制限なしというハンデがあったに、もかかわらず、最も体重減少効果が高かったという結果が出ています。

 

日本でも多く研究されており、糖質制限に対しての糖尿病改善、肥満改善の報告が出されています。

 

 

私たちは普段、ご飯・パン・麺類などの炭水化物を体のエネルギーとして摂取します。もう少し噛み砕くと、「炭水化物＝糖質＋食物繊維」ですので、糖質をメインとして摂取していることになります。

 

糖質を摂取すると血糖値が上がり、その血糖値を下げるためにインスリンという血糖値を下げるホルモンを出します。インスリンは血糖値を下げるために糖分を肝臓と筋肉の貯蔵庫に送る役目をします。貯蔵庫には限界があるので、貯蔵庫がいっぱいになると、行き場をなくしてしまします。

 

しかし、もう1つ体には無限の貯蔵庫が存在します。それが脂肪細胞です。過剰な糖分はその脂肪細胞にどんどん蓄積され、太っていってしまうのです。

 

 

糖質を摂り過ぎても太らない人は、若くて活動量が多い人、または糖質メインでも１日の摂取カロリーが低い人などが挙げられます。後者の場合は血液検査をするともしかしたら数値は高いかもしれません。

 

基本的に、血液検査で数値が高かったり、体重が増加して肥満になってくると、血圧、血糖、脂質の数値が徐々に上がってきます。高血圧・糖尿病・脂質異常症は生活習慣病の三大疾患と言われるほどで、体にとって大きな負担となってきます。肥満による血管の圧迫で血圧が上がる、糖尿病で血液がドロドロになっていき血管が詰まりやすくなれば、腎不全や脳梗塞、心筋梗塞などがおこります。認知症、アルツハイマーにも摂り過ぎた糖質が影響しているとも言われています。さらに、体重増加による関節の痛み、転倒による骨折などもあり、多くの影響を及ぼします。

 

肥満を解消するだけでも体にとってのメリットはとても大きいことがわかるかと思います。

 

 

体の主なエネルギー源はたんぱく質、脂質、糖質（炭水化物）ですが、主に使われるのは脂質と糖質です。糖質を過剰に摂取していると、脂質をエネルギーとして使う仕組みが働きにくくなります。逆に糖質が少ないと、脂肪を使いやすい状態になるということになります。

脂質、たんぱく質は食べても血糖値はほとんど上がりませんが、糖質を摂ると血糖値は上がります。上がれば上がるほどインスリンを多く分泌します。インスリンは余った糖質を脂肪細胞に溜め込む作用がありますので、糖質量をおさえるとそれだけインスリンの分泌も少なく、肥満にもなりなくいのです。

 

食事でとった栄養素が消化吸収される時に使われるエネルギーを食事誘発性熱産生と言います。摂取したたんぱく質、脂質、糖質（炭水化物）をエネルギーとして使う割合を数字で表すと、糖質6％、脂質4％、たんぱく質30％となります。糖質を抑えた食事をするとたんぱく質の割合が多くなるので、その分消化吸収の際に多くのエネルギーを使われることになり、痩せやすいということになります。

 

 

今回は糖質制限の概要についてお話ししましたが、次回は正しい食事の摂り方をお話します。今後、糖質制限をあなたの食事の１つの手段として取り入れ、健康で楽しい食事ができればと思います。

 

担当管理栄養士：大嶋浩俊

 

 

参考文献

・江部　康二　糖質制限革命　東洋経済新報社　(2017)

 

 

●食べないと燃えない!?1日3食たべて痩せやすい体になる方法

●ココナッツオイルの上があった！MCTオイルとは？