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意外と知らない優秀調味料「本みりん」

和食メニューのレシピではとてもよく見かける本みりん。
 
日本古来から愛用されてきましたが、江戸時代中期までは調味料ではなく、飲用のお酒でした。しかも甘みが貴重であった当時は贅沢品だったことをご存知ですか?現代のように調味料として活用されるようになったのは、江戸時代後期以降からのことです。
 
ご家庭では、本みりんがないと砂糖で代用されてしまいがちですが、実は本みりんはとても優秀な調味料です。今回はそんな本みりんについてフォーカスします。
 
 

みりんとは?

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本みりんの製法

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本みりんは、醤油や味噌等と同じように発酵食品としてイメージされがちですが、発酵食品ではありません
 
本みりんの主な原料は、もち米、米麹、焼酎(もしくはアルコール)です。もち米に米麹由来の酵素がはたらいて、もち米や米麹自体のデンプンやたんぱく質が分解され、本みりんはできます。 焼酎(もしくはアルコール)を加えるのは、その防腐効果により麹菌以外の雑菌が入らないようにし、また、じっくり酵素がはたらくようにするためです。時間をかけることで、各種の糖類、アミノ酸、有機酸、香気成分などが生成され、本みりん特有の風味が形成されます。
 
 

本みりんの調理効果

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① 上品な甘味とてり・つやの付与
本みりん中の糖には、ブドウ糖やオリゴ糖等の多糖類が含まれます。そのため、砂糖(ショ糖)に比べ、上品でまろやかな甘味になります。また、その糖には食材の表面に留まって光を反射する作用を示すものが含まれ、てり・つやの付与に貢献します。
 
② 味の浸み込み促進
みりんは13〜14%のアルコールを含みます。アルコールは分子が小さいため、素早く食材に浸み込みます。この時、旨み成分であるアミノ酸や、有機酸や糖も一緒に食材に浸透していくため、料理の味浸みが良くなりなります。
 
③ 煮崩れ防止
本みりんに含まれる糖とアルコールによって、食材の表面の細胞が壊れるのを防いでくれるため、煮崩れの防止にも役立ちます。お肉やお魚に対しては、糖類・アルコールの作用で筋繊維の崩壊を抑制します。ジャガイモ等のお野菜に対しては、糖類・アルコールの作用でデンプン粒の流出を抑制します。これによって、煮汁に栄養が流出することも防げます。
 
④ 深いコクと旨みの付与
もち米が分解されてできるアミノ酸やペプチドや有機酸等の旨み成分と、糖類、その他の成分が複雑に絡みあって、深いコクと旨みを付与してくれます。また、食材や醤油等の他の調味料と本みりんを合わせて加熱調理すると、糖とアミノ酸が反応してメラノイジンという物質が生成されます。このメラノイジンは、料理のコクや旨味を増強してくれます。
 
 

みりんの使い分け

上記で、本みりんの主な原料は蒸したもち米、米麹、焼酎(もしくはアルコール)と述べましたが、店頭で目にする本みりんの原材料表示を見ると、それ以外の原料も入っていることがよくあります。これらは同じ本みりんですが、色、味わい、風味がそれぞれ少しずつ異なっています。そのため、同じ本みりんの中でも用途に合わせて使い分けるのがお勧めです。
 

お屠蘇向け、または、こだわりたい時

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液糖やアミノ酸液を一切使わず、お米由来の甘味からできたみりんがお勧めです。このような本みりんには「純米」と表記されていたりします。色は琥珀色のものが多く、本みりんならではの複雑な味わいや、風味・旨み・コクを存分に味わいたい時にお勧めです。
 

てり・つやをより持続させたい時

もともと本みりんに含まれる糖には、ブドウ糖が多いのですが、オリゴ糖がより多く含まれているみりんを使うと、てり・つやをより維持することができます。お弁当等、調理後時間が経ってから食べるシーンにお勧めです。
 
 
本みりんの様々な効果を活用すれば、お料理がきっとより美味しくなります。時には調味料にもこだわってみるのも良いかもしれませんね。
 
 
担当管理栄養士:菊地美里
 
 
参考文献
・みりんの知識 全国味醂協会 https://www.honmirin.org/(2018.9.14閲覧)
・酒類の分類及び品目と酒類の定義 公益財団法人 日本関税協会 
・お酒のはなし 酒類総合研究所情報誌 平成17年3月30日第7号2005.3.30 No.7
・大谷貴美子 視覚情報による「おいしさ」の研究 日本調理科学会Vol.43,No2,57〜63(2010) 
・早瀬文孝 メイラード反応成生物としてのコク付与物質 おいしさの科学ニュース 32巻1-1ページ 
 
三城円ブログここまで

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