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よくかめる子はいいことづくめ!~偏食に悩むパパママへ~

前回のコラムでは、子どもが上手に飲み食べすることは、トレーニングによって身に付くことをお話しました。大人になってから直そうとしても、身につく時期を逃すと、なかなかうまくいきません。
 
今日は離乳食を始める前から知っておきたい、上手に食べられる基本「かむこと」が上手になるポイントをお伝えします。
 
そもそも「よくかむこと」はなぜいいのかということですが、
①脳の発達を促す
②気持ちが安定する
③消化が良くなる=胃腸への負担が減る
④顎の発達を助けるので、歯並びが良くなる
⑤唾液がよく出るので、虫歯になるのを防ぐ
 
この他にも、食べやすい形にかみ砕くことで偏食を予防したり、食べ物による窒息事故を防ぐことにも繋がります。また、発達段階に合わせて、初めのうちは前歯でかみ切る(一口大)→奥歯(奥歯の出る場所)でかめるというように変化していきます。
 

かめない場合は理由があります

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子どもにとって食事をするのは実は大仕事です。
 
席について姿勢を保持する
→食器を操作する
→食べ物を口に入る大きさにかみ切る
→その食べものを細かく飲み込めるようになるまで口を閉じて咀嚼する
という一連の流れがありますが、これには、様々な筋力が必要です。
 
食事に必要な筋力が弱いと、食事中に姿勢が崩れたり、口のサイズに合う大きさに食べ物をかみ切れず、食事が嫌になったり、かむ力が弱く、いつまでも口の中に食べ物を入れたままになったりします。その結果、食べやすい大きさしか食べない、軟らかいものが好き、硬いものは嫌い等、偏食に繋がることがあります。
 
この食事に必要な筋力は成長発達に伴って鍛えられるので、それまでは食事の姿勢を保つ、食具(食事の時に使う道具のこと。手、スプーン、はし等)を工夫する、発達に合った食形態にする等、子どもの苦手なことを補っていきましょう。
 
 

食事をする環境や食具を見直してみませんか?

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意外と知られていないのが、食卓を「食べやすい」空間にすること。また、食具は発達にあったものを使っているかチェックしてみましょう。
 
?食卓と椅子は体格に合っていますか?
歩けるようになったら、椅子に座った時に子どもの足首、ひざ、足の付け根の角度が90度になるようにする。足の裏が床に全部つくように。(つかない場合は、台を使います)椅子が身体に合わない時は、タオルやクッションを使って身体がぐらぐらしないようにする。食卓の高さは、子どもの乳頭とおへその間になるようにする。前腕が食卓につくくらいがちょうど良い。
 
?お口に合うスプーンを使っていますか?
スプーンの大きさの目安は、子どもの口の幅の半分くらいにする。大きすぎるスプーンは、大人でも食べづらい。
 
 
?スプーンでの上手な食べさせ方は? 
食べさせ方は次のように進めましょう。
親は、スプーンを水平に持って、口の真ん中から入れる
食べ物をスプーンの奥の方では無く、
 先の方に乗せる(唇を越えてすぐのところ、または下の先端でスプーンを止める)スプーンを奥の方に置くと、丸呑みの癖が付きやすくなる。
子どもが口を閉じたら、まっすぐに引き抜く。唇を閉じて、しっかりかめるようになる。
 
 

一口大、口に入る分量を覚えよう

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食べ物を口に入れてかんで、ごっくんするには、このように進んでいきます。
 
一口分を歯でかみ切る
→食べ物が飲み込める大きさになるまでかむ
→かむことで消化液の分泌が促されて唾液と食べ物が混ざり飲み込みやすくなる
→飲み込む
 
一口量が多すぎると、口の中で処理しきれずにかめなくなったり、丸呑みにつながります。
一口大が分からないお子さんには、おかずを一口大に切って「このくらいだよ」と見せたり、箸を使える子には、「一口に切ってみようね」と促してみましょう。自分でどのくらいの大きさに切るのか、持った感じはどうか?体験できるようにすることがポイントです。
 
 
いかがでしたか?
普段お子さんがあまりかんでいる様子が見られなかったり、偏食かな・・・と気になっている方は、今日のコラムをぜひ参考にしてみて下さいね。あまりに気になる場合は一人で悩まず、早めに専門家に相談してみることをおすすめします。
 
 
担当管理栄養士:大竹友里恵
 
 
参考文献
・徳田克己「気になる子の偏食」株式会社チャイルド本社(2014)
・二木武「食事で子供を変える本」世界文化社(1994)
・山崎祥子「上手に食べる―食べさせる」めばえ社(2005)
 
 
大竹友里恵執筆コラム
三城円ブログここまで

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