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「別腹」って本当にあるの？

「お腹いっぱい」と思っても、

デザートやお酒の後のラーメンは

入ってしまいますよね。

「甘いものは別腹」とよく耳にしますが、

本当に別腹は存在するのでしょうか？

感覚特異性満腹と言って、

同じ味のものを食べ続けお腹いっぱいになっても、

別の味のものならまた食べられるという現象があります。

食事の中で足りてない味のものを、

欲することが別腹につながる可能性があります。

脳にある視床下部には、

食べる命令を出す摂食中枢と

食べるのをやめる命令を出す満腹中枢があります。

食欲は、血糖濃度や味や見た目、香り、音などの

美味しそうという情報が視床下部から摂食中枢に伝わり空腹感を感じ起こります。

血糖濃度が空腹時の約2倍になったり、

まずいと判断すると視床下部から満腹中枢に伝わり、食欲は起こりません。

視床下部の摂食中枢で産生されるオレキシンは、

血糖値が低いと分泌され食欲を促進したり、

覚醒と睡眠をコントロールする特徴を持っています。

他には、成長ホルモン分泌促進物質で胃から発見されたグレリンも

食欲を促進する働きをします。

グレリンは睡眠不足で増加するので、

生活の乱れでセロトニンが減少すると食欲が優位になり

悪循環を生み出す可能性があります。

反対に白色脂肪組織で分泌されるレプチンは、

視床下部に働いて食欲を抑制し、体熱産生のもとになる褐色脂肪組織を刺激し、

エネルギー消費を増やします。

また、グレリンの産生と放出を抑制する働きもあります。

必須アミノ酸のトリプトファンから産生されるセロトニンは、

神経伝達物質に作用し、精神を安定させ満腹を感じさせることで食欲を抑制します。

不足すると精神の不安定や食欲への欲求が高まり、過食につながる傾向があります。

休息やストレス解消などを上手に行い、

気持ちをリラックスさせることでセロトニンの分泌を増加させ、

過食を防ぐ効果があります。

レプチンやセロトニンが満腹サインを送っても、

視覚や嗅覚、味覚で脳に刺激を与えられると、

グレリンやオレキシンの「美味しいものを食べたい！」という快楽作用により、

胃から小腸に内容物が送り込まれ新たなスペースが生まれるのです。

これが「別腹」の正体なのかもしれませんね。

	分泌場所	分泌のタイミング	分泌増進による働き	その他
オレギシン	視床下部（満腹中枢）	血糖値が下がる	食欲増進	睡眠コントロール
グレリン	胃	睡眠不足	食欲増進
レプチン	白色脂肪細胞	脂肪細胞増加	食欲抑制グレリンの産生・放出の抑制
セロトニン	トリプトファン	睡眠安定日光にあたる咀嚼リズム運動早寝早起き腸内環境安定　・・・など	食欲抑制精神的安定	・昼間に多く分泌され夜に低下する・夜はメラトニンが増加し、睡眠を促す