“年末年始で差をつける”アスリートの過ごし方
2016年も残すこと2週間をきりました。365日毎日のようにトレーニングという選手もいると思いますが、年末年始のこの時期は、クリスマスやお正月などイベントごとが多く、おいしい食事にも出会えると思います。普段のオフの過ごし方はもちろん、「年末年始のオフの過ごし方」が、今後の競技生活に「差」が出てきます。
2016年の疲労を持ち越さず、良い年を迎えられるように、年末に改めて休みの過ごし方を考えてみましょう。
身体が疲れているときは、内臓も疲れている可能性有り
トレーニング終了後にマッサージなどのケアは、身体的なケアに位置づけられ、アスリートであれば誰でも行うケアだと思います。その一方、パフォーマンス向上のために、内臓のケアを意識しているアスリートはどれだけいるでしょうか。
疲労を感じるのは身体だけだと思っていませんか。実は体の内面でも疲労して可能性のある臓器があります。
ケアしたい臓器は肝臓です
肝臓は成人の場合1kgほどの重さがある体内で最大の臓器です。吸収された栄養素のほとんどが肝臓に運ばれ、代謝・解毒・貯蔵がおこなわれます。必要なもの、不必要なものを分別する肝臓は、とても重要な役割を担っています。肝臓は、栄養素の処理をはじめ一日中働いてくれている大切な臓器です。
肝臓への負担を減らす食事のポイント
身体を疲れさせないことが一番ですが、疲れた身体を回復させることも、競技の向上のためには欠かせません。
とくに一日中働いている肝機能が低下すると、栄養素の供給が滞り、老廃物が排泄されなくなり体内に蓄積され、悪化すると疲労感が現れてきます。そこで、肝臓に負担のかからない食事をご紹介します。
毎日たんぱく質をとる
たんぱく質は細胞の再生のために重要な栄養素です。主菜に魚、肉、卵などを活用するとたんぱく質がとれます。主菜になりにくい、乳製品、大豆製品などは副菜に活用するなどして、動物性たんぱく質と植物性たんぱく質をバランスよくとりましょう。
ビタミンをしっかりとる
たんぱく質、脂質、糖質の三大栄養素の代謝が活発に行われるのは肝臓です。代謝にはビタミンのサポートが欠かせません。野菜、果物も食事に取り入れましょう。ビタミンの代謝も肝臓でおこなわれています。
アルコールはできるだけ控える
成人している選手であれば、アルコールのとり過ぎは肝臓にダメージを与えます。この時期はお酒を飲む場が増えると思いますので注意したいポイントですね。1日の許容範囲は日本酒なら1合、ビールなら大びん1本、焼酎なら0.6合となります。
3食規則正しくとり、食べ過ぎ防止
1日3食の食事をできるだけ規則正しく、できるだけ均等の量に分けて食べると、肝臓に負担をかけにくくなります。夜遅い食事、朝食抜き、ドカ食いなどは肝臓に負担をかけますので注意ですね。
「スタミナ定食」は逆効果
「今日は疲れたからスタミナをつける食事をとろう。」このようなことは、肝臓に負担をかけてしまう可能性があります。例えば、焼き肉など家族、友人で行く機会があると思いますが、油、肉が多いということは肝臓に追い討ちをかける食事になります。
外食の場合は、さまざまなメニューがあるお店を選択すると、自分オリジナル定食を作りながら楽しむことができます。
焼き肉は心の栄養として、休みの日や、夕食ではなく昼食でとることをオススメします。年末年始の時期でも規則正しく過ごせると、肝臓に負担をかけずに新しい年を迎えられるよう食事を意識していきましょう。
担当栄養士 : Eriko
参考文献
・鈴木志保子「スポーツ栄養学」株式会社ベースボール・マガジン社(2016)
・石川隆「カラー図解 生理学の基本がわかる事典」株式会社西東社(2015)
・中村丁次「栄養の基がわかる図解事典」成美堂出版(2015)